ホンダ ヴェゼル

今日はホンダのヴェゼルを取り上げます。こちらも大人気と聞いておりますが、果たしてどんなクルマでしょう。

ホンダの2大稼ぎ頭のフィットやフリードと同様に、ハイブリッドとガソリンをラインナップするヴェゼル。当然衆目を集めるのはハイブリッドモデル、ということになります。ちなみに、このクルマはフィットベースのクルマで、フィット同様Bセグメントという区分に入ります。最小ではない、小型車って感じですね。

実際に見てみると、大きさに関しては不思議な印象です。塊感のある立派なボディーはフィットと比べるべくもないと素直に感じるのですが、エクストレイルなどのいわゆる普通のSUVとの比較が頭にあると、なんだか妙に小さくも感じます。その印象は乗っても同じで、室内は荷室も含めて十分なスペースがあるのですが、広々としているわけではない。これはこれで絶妙なデザインであるのだろうと思います。目下のライバルは日産のジュークかな。カタログ落ちしてしまった日産デュアリスと似たようなサイズ感であり、ハイブリッドが珍しくもない昨今では早晩同じような運命を辿ってしまうのではないかとの一抹の不安はあります。

とはいえ、昨日のエクストレイルのインプレッションでも書いたとおり、私自身としては全幅が1800mm以上というのは日本では大きすぎると感じていますし、1770mmでも小さくはないと思うのです。サイズに限定がかかるとデザイン上の自由度が下がり特別感を出すのは難しくなるとは思うのですが、一昔前なら当たり前だった5ナンバーサイズで、現代に通じる、必要十分のスペースかつオシャレなクルマの出現を心待ちにしてしまいます。規制でがんじがらめの軽自動車でもホンダはNシリーズで、飽和状態の軽市場に風穴を開けました。その再現を期待したいところです(いや、それがこのヴェゼルだと言われると、まぁそうなんでしょうが・・・)。

始動すると、今度のホンダハイブリッドシステムはトヨタと同様に電気のみでも走行可能であり、文字通り音もなくスピードを上げていきます。乗り味は、新型フィットもそうなのですが、かなり重厚、というのでしょうか、落ち着いた印象です。低速で数キロ町中の試乗をしただけなので断言はできませんが、それはまるで高級車のよう。室内も・・・高級とは言いがたいのですが、高級感を出そうとしている(そしてそれがある程度成功している)のが伝わり、また、ハイブリッドに乗っているぞ~という近未来感の押し付け(失礼!)が利いていて、好ましく思う人も多いでしょう。

ただ、この高級車のような乗り味からは、ホンダの元気なイメージが感じられませんでした。文末に引用しているwebCGのインプレッションでは、「ホットハッチのような味わい」「“走り”を語りたくなる車」なんて言葉が踊り、私の印象とは正反対。もう一度試乗させてもらおうかなぁ、買わないけど。おそらく、電気とガソリンのフルパワーを感じるまでの加速をしなかったのだろうと思いますが、それでも町中を普通には走りました。正直、低速域では「遅い」とまで感じました。渋滞が頻発する都市部ではそれがネガティブな印象をあたえるのではないかと危惧します。

あとは、値段ですね。「ライバルはジュークか」と書きましたが、値段の差を考えると直接のライバルとは言えないかもしれません。なにせ、ハイブリッドの上級モデルは1クラス上のエクストレイルや、場合によってはハリアーなんかとも競合しかねません。ハイブリッドのヴェゼルとガソリンのエクストレイル、ベースグレードすっぴんのハリアーを同列で語るなとのお叱りを受けそうですが、独断と偏見で、明らかにエクストレイルやハリアーの方がかっこいいんですもの。値段が近ければ検討くらいはしますよね?

ということで、今私がヴェゼルをオススメできるのは、手頃な大きさと最新のシステムを求めるあなた、ということに決定いたしました(デザインが気に入って、ガソリンの廉価モデルを選択されるなら、実はそれがベストかも)。システムが気に入ったというのなら、もっと安く手に入るフィットハイブリッドでいいというご意見には、全くその通りとお返事いたしましょう!ということで、ヴェゼルハイブリット。フィットじゃ嫌だ、という人に、ぜひ。


本物の情報はこちらから
メーカーの公式HP
ホンダ ヴェゼル
http://www.honda.co.jp/VEZEL/
web CG
http://www.webcg.net/articles/-/30175